舞台『剣が君』は本当に対策ができていたのか?

舞台『剣が君』が無事に千穐楽を迎えたことを受けて、実際に行ってみて対策がどうだったかの覚書です。

また、舞台やイベント、ライブ、スポーツ観戦などの文化的興行は続けてほしいと思っているので、中止をしてほしいという内容ではなく今後もっと注意をしなければならないのではないかと感じたことを書いています。

コロナ対策、またそれに付随した疑問点等のまとめ。

 

1.舞台上の密

個人的には今現在、メディアに取り沙汰されている『The☆JINRO~イケメンアイドルは誰だ~』ほどにないにしろ。密なところは密でした。

稽古中はハーフフェイスマスクや、通常の不織布、ウレタンマスクをされていたようですが、舞台上ではフェイスマスクはなしの状態です。(稽古動画などを見ている限り、稽古中換気がされていたのかは疑問)

その状態なのに、1M以内での対面会話が複数あり、殺陣もあり。

なので、キャスト同士の飛沫対策は完全になされていない。

同時期に上演され始めた三谷幸喜さんの『大地』のゲネ映像を見るとそのことがより実感されました。

全編を見ているわけではないですが、この5分ほど映像のなかでもソーシャルディスタンスを保ち、意識した公演というのがよくわかります。

これならばフェイスガードがない状態というのも納得ができます。 

www.youtube.com

 

2.客席内の密

 6/30付けのガイドラインによる「集団と集団との距離の確保」は徹底されていないものでした。

 基本的には一席空けてが以前のガイドラインでは書いてありましたが、今回のガイドラインでは少し変わったものの連番でとった人でない知り合いでない、赤の他人でも一席空けずに隣になるというチケット割り振りはガイドラインに則っていません。

 ガイドラインでは「努める」とされているので、完全に空けなくてもいいのかもしれませんが、十数組隣同士が見られるのは異様に感じました。

また、公演前に追加席が売り出されたのもどういう理屈なのかわからず、本当に50%未満であったのか…連番チケットじゃない人が隣同士になっているのをみて、少し疑問が残りました。

  そして、最前列は開けているもののサイド席が斜めになっていることを考慮しておらず、二列目の人は実質最前と同じ距離なので、ステージから十分な距離が取れているとは言えない配置。

 座席表で言う二列目のサイド二席になります。

https://www.t1010.jp/html/guide/seat.html

 サイドが斜めになっているので、今回のように単純に交互にしただけでは前後に人がいる状態となり左右の間隔はあくものの前後は空かないという、単に番号で振り分けし、実際に客席実証はしていないのが如実でした。

 劇場と割り振りの話をどうやってしたのかは存じ上げませんが、これは確りと前後左右位置関係の把握ができていないということです。

 劇場はこのことについて指摘して然るべきではないでしょうか?

 

3.客席・ロビー内での会話

 最初のほうはロビー、客席ともに話している方が多く、それに対してスタッフは注意もせずに通り過ぎていました。

 今回、ガイドラインには「客席での会話は控えるように周知する」と書いてあるにも関わらず、公式サイトにも記載されていないのでこれは運営のミスです。

 最後のほうは立ち話している人は注意されていましたが、着席で話している人への注意はずっとないままでした。(サイトに記載していないので当たり前ですが。)

 フェイスシールド・マスクを装着しているとはいえ、スタッフが練り歩きながらの注意喚起はどうなでしょうか…。

 場内アナウンスできるのだから、設備を最大限に使ってほしいと思います。

 

4.物販

 決済は現金のみ。

 通販はあるもののそれほど、励行はされていませんでした。

 また、原作と制作で別々で通販をやっており、その上売っているものが違うため、とても不親切です。

 そして、16商品中6商品がランダム商品。

 このご時世にランダムすら疑問視される中、6商品出してくるとは面白い冗談だなと思いました。そのなか、トレーディングスペースを用意するどころか、禁止してきて、コロナ対策の一環として、劇場内、周辺でトレーディングしないでね。と言ってくるのは、自分たちが我慢をせずして、客にだけ我慢してって言ってくるのは本当に虫が良すぎて、怖気が走りました。

 しかもこのランダム商品の一つであるキャストランダムブロマイドは、当たりサイン入り。いつ書かせているのか知らないですが、よりトレーディングを助長する行為はやめてほしいです。

 場内での会話と同等になりますが、トレーディングにおいても最初のほうはスタッフが注意するところは見受けられませんでした。

 一階下(10階)は劇場の受付になっていますが、そこでのトレーディングを劇場スタッフが注意することはなかったです。今回は「劇場側の要請」でトレーディング行為を禁止するように、記載をお願いしているのですから劇場スタッフ側もそれには協力すべきなのではないでしょうか?

 そして、客側もですがランダム商品を出すのが悪いとそのことを盾にして、注意事項に書かれている行為を今の状況下でやるのは間違っていますし、Twitterで告知されたからDMで分からないように場所を決めようというのも間違っています。

 トレーディング行為に関しては今取り沙汰されている舞台と、行っている行為はそれほどに変わらないです。

 

5.備品の貸出

 特設サイトには「備品の貸出はしない」と書いてあるにも関わらず、リピート特典のところや、物販では忘れたのであれば貸すといった状態でした。ガイドラインには十分な消毒をすれば良いとの記載はあるのでそこが守られていれば、問題はないです。

 ただ、サイトでは断言しているので、下に東急ハンズあるし降りればコンビニもあるのだから、そこで買ってきてくださいで済ませればいい話では…?親切だとは思いますが、自分たちで書いたことくらいは徹底してほしいです。

 

 6.リピーター特典

 複数回来るとそれに応じて特典が得られるというもの。

 普段の興行でもこれはあるのですが、最初にこれを付けたままにすると聞いたときは「正気か?」と思いました。

 ガイドライン上は確かに問題はないのですが、繁華街に位置する劇場であり、交通はみな公共機関を使う、そして複数回行くことで体力面や健康面など総合的にみて、罹患率が上がるのではないかと。

 引き合いに出して申し訳ないですが、『The☆JINRO』では現在わかっている来場者の陽性発覚している人は人数的には16名。( http://www.risecom.jp/news/index.php?detail=60 )

 しかし、公演毎で表記されているのをみると63名でつまり複数来場者がほぼで、一人平均3~4回いっている方が多い。(平均値で出しているので、全通などは考えていないです。)

 一例でしかないですし、其々の健康や免疫力にもよりますが、やはり複数回のほうがリスクが高いと感じます。

 このリピーター特典を辞退されていたのは降板されてしまいましたが山本一慶さんのみで、ほかの方で辞退する方は見受けられませんでした。ファンが大事だというのであれば、ちゃんと断って欲しかったと思いますし、今後の舞台でワクチンなどが出ていない時期にリピーター特典を出す運営があるのであれば、来場を促すことや金策より、人の命を思い出してほしいです。

 運営も劇場もキャストもスタッフも、誰も観客の健康や罹患リスクことは考えなかったんだなと実感しました。キャストがそこまで言える立場ではないとは思いますが…、現状を見てちゃんと判断してほしかった案件です。

 

7.消毒・換気・清掃

 ロビー各所に消毒液を設置します。

 と書いてあった気がしたんですが、2,3か所しかなかったように思います。

 せめて、入り口付近には全部置きましょう。

 4月に発表したのだから、それくらい集められますよ。

 また、清掃がちゃんとされていたのかは不明で、特に楽日はマチソワの間2時間もないですが、客席の手すり消毒とかお手洗い清掃とか全部できたのでしょうか?

 ちゃんと清掃できるように、いつもの公演時間を設定するのではなく、マチネを一時間繰り上げるか、ソワレを一時間繰り下げるかをしてちゃんと安心を届ける努力くらいできないのでしょうか。

 

 

 今のところこれくらいですが、まだ思い出すことが何かあったら追記するかもしれないです。

 値上げ再販についてはとても不誠実だったな☆と永遠に思い続けるくらい。(根が深い。)そもそも、キャスト告知なしで最速先行をしていて、そのあとにキャスト発表して、キャストファンには「最速先行☆」って案内したころから、もうこの作品あかん…ってなっていたくらいです。

 舞台自体は楽しく観ました。

 

 最後まで読んでくださった方はありがとうございます。