舞台「文豪とアルケミスト余計者ノ挽歌」感想破
いつも勢いで書かないと後半書かないので、とりあえず続けて破の部分も書きます。
序の感想↓
http://b-hfty.hatenablog.com/entry/2019/03/10/215246
破の部分は斜陽への潜書の部分ですね。
ここの志賀さんが斜陽への潜書を拒む。
多分、ここのあたりがゲームの志賀さんだったら、普通に行きそうに思えます。
私の中では前述の通り精神が少し安定していらっしゃらないので、拒否るのは必然。
ただ、志賀さん意地っ張りすぎて、太宰さんの「俺の作品は守る価値がないってことかよ!」に、「そう捉えてもらって構わない。」だなんて言うから話が拗れる。
「太宰の文学は守りたい気持ちはあるけど、自分がそのなかに入る気にはならない」みたいに言ってあげれば良かったんじゃない?!
ってなります。
毎回。
このあとの「お金もっていてすみませんって恵んでみろ」から「産まれてきてすみません!」が好きです。
でも中原殴ってしまった時に前楽かな?
「志賀が「GO!GO!」って」の言い訳は草。
好きなのは「斜陽(左様)でございます」ですね!笑
斜陽へ入った時の春夫先生の活き活きさは全人類に伝えたい。
切られる川端、斬られる菊池。
ご愁傷様としか言い様がない。
ここは原作知らない人には少し優しくないシーンですけれど、多少の説明も合わさるので気になった人はゲームやったり、してね!
って感じです。
記憶がない分、ここまでの芥川先生がとても精神安定しているように思えるのですが、殺陣が思ったより男らしくてビックリしました。
もう少したおやかな感じかと思っていたので、剛と柔が交互に押し寄せるようで、見ていて「これが芥川龍之介」と納得させる殺陣でしたね。
殺陣は打撃も合わさり全体的に男らしくて、とても好きなのですが、えげつないと思うのは織田作ですね。
基本喉を掻っ切るので。
字で現すと
「皮へ刃の冷たさが当たるのを感じた。徐々に皮から肉へと入り込み、自分の体温が金属へ伝わっている。その感触の直後に見たのは、赤い飛沫であった。」
そんな感じです。(うん、分からん。)
斜陽の潜書だと一番わかりやすいかなーと思うのですが、文字の敷き詰まった光は壇上から壁へと移動していくんですよね。
あれを目で追うと自分も潜書した気分になるので良かったです。
このあと白樺の小芝居入って、志賀さんが芥川さんの元へ駆けつけて行きます。
でも、ここまでだと、そんなに志賀さん芥川さんのこと気に掛けているように思えないので、え?ってなりますよね?
私はなりました。
序にもここカテゴリーの最初にも書きましたが志賀さんってやはり、一番記憶が「曖昧」だと思うんですね。
でも、負に思っていることはなんとなく心底にある。それが一番の行動基準な気がします。
ただ、気に掛け過ぎていて、良い言葉をかけたつもりが、「鼻」への潜書の次に、芥川さんの負の感情を呼び覚ます切っ掛けになってしまうのがとても悲しい。
悲しいのは最初、久米さんの記憶がフラッシュバックした時、自身で振り解けているんですよね。
斜陽でも少し思い出すだけで決定打には至っていない。
一番の引鉄は志賀さんの
「「鼻」が芥川龍之介の魅力に溢れた短編」
「夏目漱石に認められた作品」
なんですよね。
これが徐々に思い出した記憶からだったら……もしかしたら、と思わずには居られない。
そして、何よりあんなに優しく芥川さんに話しかけるのは、我孫子へ尋ねてきた時、求めていた答えを出してあげられなかった記憶からなように思えるのでした。
このあとの斜陽を芥川さんに直接渡すのは、桜桃忌に三鷹の墓前へ伝えたい勢いです。(しませんが。笑)
残りはまた後日書きます。